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躓きを笑う

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 性懲りもなく今日も書く・・・
 さっき、近所のお婆さんが、僕に向かって何か問いかけるように押し車に身体を預けて歩いてきた。すると突然、道の傾斜に引かれたのかお婆さんの身体が少しだけ左斜めによろけるように傾いだ。お婆さんが気にする風でもなく進んできたので、思わず僕は右肩を傾げるようにおどけた振りをして、大丈夫ですか、と言って笑いかけた。お婆さんは照れるでもなく、それこそ何事もなかったかのように話しかけてきたが、僕の横でその様子を見ていた近所の小父さんが、おい〇ちゃん、若いもんをかまっちゃ駄目だよ、と笑いながら去っていった。お婆さんの他愛無い話を散々聞いて別れた後、家にいた八十の母親にその一部始終の情景を話して聞かすと、いつになく大口を開けて笑ったのだが、それは決して人を揶揄するような卑しい笑いではなく、微笑ましく楽しい笑い方であった。まあ、何ということはない子供の作文にでもあるような話である。
 しかし、ふと考えた。もし、この話をどう思うかと小学生のクラスで問えば、どんな答えが返ってくるだろうかと。
「先生、わざとよろけてお婆さんをからかうのは、いけないことだと思います」
「先生、それを見ていた近所の小父さんは、笑ったりしないでちゃんと注意しなくちゃ駄目だと思います」
「先生、家にいたお母さんも同じお年寄りなのだから、笑ったりしないでそんな息子を叱るべきだと思います」
「そうだよね、みんな。お年寄りはいたわらなければいけないよね。人の躓きを笑ったりしてはいけないよね」
 と、なるだろうか。いや、きっとそう教えている先生はいるだろうし間違いでもない。
 しかし、僕も小父さんも、そして母親も、まるで微笑ましい情景を垣間見たような、そんな晴れ晴れした気持ちで笑ったのも事実である。どうやら、道徳とか常識とかいうものは、時代ばかりではなく年齢によっても変化してくるもので、子供が大人になれば見識も変わってくるのは当然のことである。それにしても、教育とは実に難しい。
 さっ、今からパソコンに打ち込もうかな・・・

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